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労働条件

残業代を払ってくれない

Last Updated on 2020年6月8日 by よも

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遠慮する必要はない

サービス残業していませんか。

会社には、働いた時間に対して賃金を支払う義務があります。労働者は受け取る権利があります。

定時の労働時間以上に働けば、割増賃金を受け取る権利があるのです。遠慮する必要はありません。

もらっていない、これからでも請求したい、という方々に、未払い残業代請求に必要な基本知識をお伝えします。

在職中であれば強い行動はとりにくいものです。以下は、基本的に退職後に請求を行う場合について記載したものです。

証拠が必要です

証拠といっても難しく考える必要はありません。要は、口で言うだけではダメだということで、残業したことを裏付ける何かが必要だということです。

勤務時間の記録

自分が何時に会社に出て、何時に帰ったかという事実を証明するものとしては、自分が打刻していたタイムカードのコピーがあれば一番です。

時間が詳細に記載されていれば営業日報等も証拠になります。

パソコンの使用状況が分かるログも証拠になります。

メールには送受信の日時が残ります。その時間は仕事をしていたという証拠になります。

退社後にはアカウントを消去されることがあるので、遅い時間のメールをプリントしましょう。

帰りが遅くなって利用したタクシーの領収書も退社時間の証拠になります。手書きではなく機械から出るレシートをとっておきましょう。

会社や第三者が作成している書類は、客観性が高いので良い証拠になりますが、そうしたものを補完する書類としては、自分や家族が作成したメモなども証拠として採用されることがあります。

実際に働いていたことも証明したい

出勤と退勤の時間を立証できても、

「勝手に残って、雑談していただけではないか?」「食事等にたっぷり時間をとっていたようなので実際に働いていた時間はほんのすこしだ」

などと反論されることがあります。

これに的確な反論ができなければ、請求金額を減額されてしまうかもしれません。実際に労働していたことについても証拠を用意しましょう。

また、自分の仕事が、どういう手順で行われ、どういう過程を経て一件落着に至るか、業務上の流れについて整理しておきましょう。説得力が増してきます。

上司の指示などを忘れないようにメモすることが頻繁にあると思いますが、こうしたメモも捨てないでとっておくと価値が高い証拠になります。

なお、日記やメモ、その他の書類に共通することですが、日付や時間の記載が重要です。

いつのことか分からなければ証拠になりません。メモ等をつけるときは、まず、作成日時を、何時何分まで記載する習慣を付けましょう。

字が汚いことを気にする必要はありません。汚い文書ほど、現実感が強いので証拠としての価値があります。

絶対に清書してはいけません。後日修正すると、その書類全体の正確性を疑わせることになります。分かりにくいところは、別途注釈をつければよいのです。

まして、パソコンで整理して原本を廃棄するようなことは絶対にしてはいけません。

労働条件はどうなっていたか

雇用時に交付された「労働条件通知書」や「雇用契約書」、「就業規則」などで証明できます。

これらの書類には、本来の勤務時間や、給与の計算方法や割増賃金について記載されています。

労働条件通知書交付しないと法律違反なのですが、交付しない会社もあります。その場合には、何かないか探してください。

就職活動のときにハローワークからもらった書類の中に、労働条件を書いているものがあったら、それも証拠の一つになります。

就業規則は、いつでも読める状態にしておくことが会社に義務付けられています。コピーをとっておきましょう。

法律に違反して就業規則を隠している会社があります。どうしても手に入らなければ、自分が承知している限りでよいので、勤務時間や休日などの労働条件をメモしておきましょう。

給料の記録

給料明細書はきちんと保管しておきましょう。片っ端から捨てている人も多いのですが、きちんと残す習慣を付けましょう。

払うべき残業代と、実際に払われた残業代の差額を請求できます。

証拠が集まらない場合

タイムカードのコピーがとれなかった、日報の控えもない、という場合は、それらの書類を会社に請求するという手があります。

この請求は法律的なことになってくるので、弁護士等の専門家に相談しないと難しいかもしれません。

また、せっかく請求しても、そうした記録が残っていない場合、残っていても不備であることが多いと思います。

つまり、請求しても、望むような資料が手に入るとは限らないので。できるだけ、自分で証拠をとっておくことが重要なのです。

請求の手順

さて、証拠が揃ったら実際の残業代請求に移ります。

労働基準監督署に申告する

直接の請求と違いますが、労働基準監督署に申告することで目的を達成できることもあります。

労働基準監督署は、労働基準法違反があるかどうか調べて、未払いがあれば(あなたの分だけでなくみんなの分)を支払うように会社に勧告してくれます。

費用もかからないし、あなたのことが会社には伝わりません。在職中であれば有効な方法です。

労働基準監督署への申告

会社と交渉する

会社と冷静に話し合える状況であれば、直接話し合うという方法が一番早く決着がつくでしょう。

話し合いだとまるめ込まれそうだと思う場合は、文書を送りましょう。

このような文書を用意します。

未払い残業代請求の文例

〇〇株式会社代表取締役社長殿

平成 年 月 日

〇〇〇〇印

私は、〇年〇月〇日に御社に入社し、〇年〇月〇日に退社するまで勤務しておりました。その間、〇年〇月〇日より〇〇部に配属され・・・・・・

(まず、自分の会社での経歴を書きます)

私が勤務している間、時間外割増賃金は一部払われていましたが、実際の残業時間との違いが著しく、多くの未払い賃金が残っています。詳細は添付の「時間外労働の記録」を参照してください。

よって、在職中の未払い賃金、〇〇〇円を支払っていただくよう請求させていただきます。

なお、上記「時間外労働の記録」に、記録の間違い、計算の間違い等がありましたらご指摘をお願いいたします。

お忙しいところ誠に恐縮ですが、この件については、〇月〇日までに下記の住所にご回答のご送付をお願いいたします。

ご回答は、下記記載のメールでも構いませんが、電話や口頭でのご回答はご遠慮させていただきます。

回答があったら

請求の文書を発送して、一定の金額が回答されるのであれば、多少譲歩してでも決着させるのが得策です。

得策というのは、労働者としては、生活のことがあるので、できるだけ早く次の仕事をみつけて働き始めなければなりません。いつまでも前の会社にかかわりあっている時間はもったいないからです。

会社側が反応してくれない場合は、次の段階(訴訟など)へ移る前に「内容証明郵便」を使うことも考えましょう。内容的には同じですが、「回答がない場合には法的手段に移らざるを得ない」などと記載することで本気度を感じてもらえると思います。

第三者に交渉してもらう

直接話をすることが難しい場合は、第三者にお願いすることになります。

第三者といっても、基本的には弁護士(金額によっては司法書士)か労働組合にしか頼めません。弁護士の費用がかかります。

紛争解決委員会のあっせん

個別労働紛争解決手段を利用します。特定社会保険労務士に依頼することができます。一般的には弁護士より安上がりです。

会社側は、あっせんを無視することも、拒絶することもできます。しかし、長引かせたくない会社も多いので、この段階での解決も期待できます。

紛争解決委員会を利用する

労働審判で請求する

労働審判は、通常の訴訟よりも短い期間での解決が期待できます。

労働審判を利用する

訴訟をおこす

裁判所に訴えを起こし、未払い残業代を請求する方法です。本人訴訟という方法もありますが、ハードルが高いです。費用はかかりますが弁護士に依頼すれことになります。

また、実名で表に立って会社と争うので、周囲の目があるので一定の覚悟が必要です。

しかし、確実に払わせようと思うのであれば、証拠がそろっていればほぼ勝てる可能性が高いので訴訟は有効な手段です。

時効に注意

未払い残業代は、退職した後に請求する人が多いようです。この場合、時効を気にしなければなりません。

労働基準法では、賃金の請求権は5年間(当分の間3年)です。

つまり、行動が遅れると、過去の未払い残業代がどんどん減っていくのです。請求した時点で時効はストップします。

請求する残業代が確定しなくても、「内容証明郵便」などで時効を中断させることができます。すぐに弁護士等の専門家に相談しましょう。

付加金について

付加金とは、割増賃金等を支払わない使用者に対し、裁判所が労働者の請求に基づき、それら未払金に加えて支払いを命ずる金銭です。

対象になる賃金には、時間外勤務等の割増賃金のほか、解雇予告手当、休業手当、有給休暇期間の賃金があります。

付加金は未払金と同額となっているので、認められれば2倍もらえることになります。

付加金の請求は、違反のあつた時から5年以内(当分の間は3年以内)にしなければなりません。