Last Updated on 2020年12月8日 by よも
医療費控除とは
医療費控除は、所得控除のひとつで、1年に一定額以上の医療費がかかった場合に、所得税が還付される制度です。
この適用を受けるには自分で確定申告をしなければなりません。会社の年末調整の対象ではありません。
一般の確定申告は、2月半ばから3月の半ばが申告期間ですが、医療費控除の確定申告は、1月に入ればすることができます。
一定額とは
1年間に支払った医療費が一定額にならないと控除の対象になりません。
基本的には、かかった医療費が10万円以上の場合に医療費控除の対象になります。(上限は200万円です)
ただし、
医療費が10万円に満たない場合でも、医療費控除が受けられる場合があります。
10万円と所得金額の5%相当額のいずれか少ない金額となっているので、
年間の総所得金額が200万円に満たない人の場合は、総所得金額の5%を年間医療費から差し引いた額になります。
例えば、総所得金額が100万円であれば、100万円の5%、5万円を超えれば医療費控除の対象になります。
まとめると、
医療費控除の対象になる金額は、
実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額-10万円と所得金額の5%相当額のいずれか少ない金額の金額
となります。医療費の領収書は自宅で5年間保存しなければなりません。
保険金などで補てんされる金額とは
医療保険などで補てんされている分があれば、支払った医療費の額から引かなければなりません。
生命保険などの特約や医療保険などで補てんされている金額がある場合は、それを差し引いた金額、つまり自分が負担した金額が控除の対象となります。
出産費用は、出産育児一時金を支出医療費から差し引かなければなりません。
控除の対象になる医療費
自分だけでなく、生計を一にする家族全体の医療費を対象にすることができます。
妊娠出産の費用、介護サービスも対象になります。処方されたものはもちろん、市販の風邪薬なども含まれます。
確定申告に備えて、日頃から、領収書やレシートを保管しておきましょう。(なお、医療機関が発行する領収書、レシートを添付して提出する必要がありません。その領収書等は、自宅で5年間保管することになっています。)
領収書がない支出、例えば、バスの運賃などは、行った日と目的地と行くまでのルート、金額などをメモしておけば加算できます。
国税庁ホームページで確認
詳細は、国税庁のホームページで確認しましょう。
医療費控除の明細書と確定申告書は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成できます。
セルフメディケーション
医療費控除のもう一つの制度としてセルフメディケーションがあります。
もともと医療用だった薬のうちドラッグストアなどで買えるようになった医薬品が対象になります。スイッチOTC医薬品といわれるものです。
OTC医薬品を購入した金額から1万2千円を差し引いた金額を所得控除として計算することができます。
限度額8万8千円なので10万円までが対象になります。
この控除を受けるには、適用を受けようとする年分に、「健康の保持増進及び疾病の予防に関する一定の取組」を行っている必要があります。
一定の取組とは、
① 保険者(健康保険組合等)が実施する健康診査
② 市区町村が健康増進事業として行う健康診査
③ 予防接種
④ 勤務先で実施する定期健康診断
⑤ 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
⑥ 市区町村が健康増進事業として実施するがん検診
従来の医療費控除を使うこともできますが、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらか一方の制度を選択しなければなりません。同時に利用することはできません。
どちらが得かについて、日本一般用医薬品連合会のホームページでシミュレーションできます。
セルフメディケーション税制の対象期間は、平成29年1月1日から平成33年12月31日の5年間に購入した薬が対象です。
詳細は、厚生労働省のサイトをごらんください。