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労災保険の遺族(補償)年金

Last Updated on 2019年11月19日 by よも

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遺族に遺族年金が支給される

労働者が業務上あるいは通勤途中に死亡した場合に、労災保険から遺族(補償)年金が支給されます。

遺族補償年金の受給資格者及び受給権者

受給資格者とは

遺族の中で、遺族(補償)年金を受ける権利のある遺族を「受給資格者」といいます。受給資格者は次の条件に当てはまる人です。

労働者の死亡時にその労働者の収入によって生計を維持していた、配偶者(内縁関係も含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(受給順位の順)です。

生計維持とは→生計を維持している(労災保険)

妻以外の遺族には、生計維持関係の他にも条件が付きます。

夫:60歳以上又は障害
子:18歳に達する日以後最初の3月31日まで又は障害がある子
父母:夫と同じ
孫:子と同じ
祖父母:夫と同じ
兄弟姉妹:子と同じか夫と同じ

遺族厚生年金などでは、1・2級の障害者である子は20歳で受給資格を失いますが、労災の方は障害者である子の場合、年齢による資格消滅がありません

受給権者とは

受給資格者のうち、最も先順位の者が受給権者となって、遺族(補償)年金を受給します。

妻がいる場合は、妻に全額支給されます。妻には年齢要件もありません。

最も先順位の受給権者が複数になってしまう場合には支給額が等分されてそれぞれに支給されます。

上記の受給権者がいない場合は、55歳以上60歳未満の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹の順で60歳までは支給停止ですが受給権をもちます。

生計維持の遺族がいないとき

生計を維持されていた家族がいなかったときは、生計維持関係のなかった遺族に、一時金が支給されます。

その額は、給付基礎日額×1000日分ですから、先の例でいえば、1万円×1000日分 = 1000万円 となります。一時金とはいえ、かなりの額です。

内縁関係の扱い

配偶者については、いわゆる内縁関係にある者も、一定の証拠があれば労災給付を受けることができます。

法律上の妻がいて、かつ、内縁の妻がいるような場合には、基本的には法律上の妻が労災の給付を受けることができます。

法律上の妻との関係が、全く形骸化しているというケースでは、例外的に内縁の妻の権利が認められたことがあります。

労災保険は転給の制度がある

最先順位の遺族が死亡や婚姻などにより受給権者でなくなった場合は、次順位の遺族が受給することになります。この制度は転給といって労災保険独自の制度です。

国民年金や厚生年金から支給される遺族年金は、最先順位者だけしか年金を受け取れませんが、労災保険の遺族年金は、先順位者が受給権を失っても、受給資格者がいる限り、年金が支給され続けます。

例えば、妻あり子供なし、60歳以上の老親と同居のケースでは、遺族補償年金は妻に支給され、親には支給されません。この妻が再婚した場合(厳密には事実婚も含む)は、妻は受給権を失います。そして、第2順位である親が受給権者になります。

妻なし、10歳の子供1人、60歳以上の老親と同居のケースでは、子供は18歳到達年度末に受給権を失うので、そのあとは、第2順位である親が受給権者になります。

年金の額

遺族(補償)年金は受給権者(生計維持関係にあった一定の親族)の人数によって支給額が変わります。例えば、生計維持の人数が一人であれば、給付基礎日額の153日分となっています。この他に、遺族特別支給金や遺族特別年金も支給されます。

遺族の数受給額
1人給付基礎日額の153日分(175日分有り)
2人給付基礎日額の201日分
3人給付基礎日額の223日分
4人以上給付基礎日額の245日分

給付基礎日額とは、簡単に言うと給料の1日分ということです。ですから、月給30万円の方の場合、給付基礎日額は1万円ということになります。

給付基礎日額

例えば、死亡した夫の月収が30万円で、残された遺族が生計を維持された妻と18才未満の子供2人だとすると、妻が優先順位トップなので受給権者となり、子供2人を含め、遺族が3人ですから、遺族補償年金の受給額は、

1万円×223日分 = 223万円となります。加えて一時金として300万円支給されます。さらに、被災労働者がボーナスを受け取っていた場合、ボーナス部分の年金が特別支給金として上乗せされます。

他の年金をもらえる場合は、原則として併給OKです。

国民年金や厚生年金の遺族年金を受けていても、労災保険の遺族補償年金を受け取ることができます。

ただし、遺族厚生年金と基礎年金は満額受け取れますが、労災保険の方(遺族補償年金)が減額されます。例えば、遺族厚生年金と基礎年金をともに受給できるときは0.8の、遺族厚生年金のみのときは0.84の調整率を乗じた金額が支給されます。

遺族補償一時金

遺族補償年金の受給資格者がいないとき、又は、いなくなったときには、次の遺族のうち最先順位者に遺族補償一時金が支給されます。

一時金を受け取れる遺族の範囲は次の通りです。1から順に優先権があります。
1.配偶者
2.生計を維持されていた子、父母、孫、祖父母
3.生計を維持されていなかった子、父母、孫、祖父母
4.兄弟姉妹

前払い制度

遺族の請求により、給付基礎日額の最高1000日分を前払いしてもらうことが可能です。まとまったお金が必要な場合にありがたい制度です。国民年金、厚生年金には前払い制度はありません。

前払いを受けたときは、前払いの額に達するまで、遺族補償年金は支給が停止されます。

遺族(補償)一時金は給付基礎日額の1,000日分です。ただし、既に受け取った遺族補償年金や遺族補償年金前払一時金がある場合は差し引かれます。

遺族年金を請求する手続き

労働基準監督署に、様式第12号「遺族補償年金支給請求書」又は様式第16号の8「遺族年金支給請求書」を提出します。同順位の受給権者が2人以上いるときは、そのうちの1人を年金の請求、受領についての代表者とします。

一時金を請求する場合は、様式第15号「遺族補償一時金支給請求書」又は様式第16号の9「遺族一時金支給請求書」を提出して下さい。