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業務災害の要件

Last Updated on 2019年11月19日 by よも

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労災における業務災害とは

業務災害とは、労働者が、業務上の理由で、負傷、疾病、障害又は死亡することです。

業務災害と認められれば労災保険の給付を受けることができます。業務災害であると認められるには、業務起因性と業務遂行性の2つの要件があります。

要件1 業務起因性

業務上というのは、業務が原因となったということであり、業務と傷病等の間に一定の因果関係があることをいいます。

要は、負傷、疾病、障害又は死亡の原因が、仕事を原因としているかどうかです。

これを「業務起因性」といいます。

要件2 業務遂行性

また、業務災害に対する保険給付は労働者として雇われて働いていることが原因となって発生した災害に対して行われるものですから、労働者が労働関係のもとにあった場合に起きた災害でなければなりません。

これを「業務遂行性」といいます。

要は、負傷、疾病、障害又は死亡が、仕事をしているときに起ったかどうかということです。

つまり、仕事をしているときに、仕事が原因で負傷、疾病、障害又は死亡ということになれば業務上災害として、労災保険の給付を受けることができます。

一般的には、常識的な判断で申請してほぼ間違いないと思いますが、業務起因性と業務遂行性を検討して、度合いによっては労働基準監督署長が認めないこともあります。

事例解説

労働時間中

仕事をしているときに発生した事故は、原則として業務上災害です。この仕事中には、作業の準備や後片付けの時間も含まれ、手待ち時間の仮眠中の事故も業務中と認められます。

作業を中断してトイレに行って、トイレで転倒してケガをしたというような場合も、仕事中であってもトイレに行くのは当然の行為なので、トイレで仕事をしているわけではありませんが業務上災害に認めれらています。類似の行為に、水を飲む、風で飛ばされた帽子を拾うなどがあります。

業務に関係のない私用で抜け出して事故にあった場合は業務外とされます。ただし、忘れたメガネを届けてもらって、それを門までとりに行く途中の事故については仕事に必要だったとして認められた例があります。

担当業務でないことを行って事故にあった場合、それが使用者の命令で行ったことであれば業務上となりますが、自分の本来の仕事でないことを単なる親切心から行ったときは難しいようです。事情により判断が分かれます。

休憩時間中

休憩時間中であっても、事務所や作業場で何かにつまづいて転んだなどの事故は、業務上災害に認められるようです。

しかし、休憩時間を利用して外出し、そこで事故にあった場合や、休憩時間中に同僚とボール遊びなどをして怪我をした場合などは難しいようです。

出張中

出張中の事故等は業務上災害に認められることが大半です。

ホテルで寝ているときに火事にあったとすれば、仕事中の時間帯ではありませんが、労災に認定されます。出張という業務をするためにホテルで寝ていた場合は業務遂行中と認められるからです。

ただし、用務が終わってから観光旅行をして事故に遭遇するとか、仕事が終わってから一人で飲みに行って飲み過ぎで転んだ、などの場合は、認められないこともあるようです。

通勤中

通勤中のケガなどはほとんど場合労災に認定されます。

ただし、通勤災害が認められるためには業務についての移動で、かつ合理的な経路と手段と用いなくてはいけません。

「合理的な経路」ですから、理由のない遠回り、寄り道などは難しくなります。「合理的な手段」ですから、雪が降っているのに自転車に乗る、酒気帯びで自動車を運転するなども認定が難しいでしょう。

通勤災害と労災保険

持病がある場合

仕事中に発症したとしても、例えば脳卒中で倒れた場合などは、もともとの持病と仕事との関連性が検討され、微妙な判断になることがあります。

この場合、労働の内容、そして長時間労働であったかどうかが問題になります。

脳・心臓疾患の労災認定

精神障害の場合

労災は精神障害に対する補償も認めています。ケガなどと同様に、業務起因性が必要です。

概ね精神障害の発症から6ヶ月間にその原因となるような心理的負荷があるか調査され決定されます。

また、精神障害になるような原因が、仕事だけでなく個人的な原因もある場合は、労災が認められづらい傾向があります。しっかりとした証拠集めが大切です。

精神障害と労災認定