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遺族厚生年金の支給条件は?いくらもらえる?

Last Updated on 2019年11月17日 by よも

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遺族厚生年金とは

遺族厚生年金は、厚生年金被保険者(会社などに勤務している人)が亡くなったときに残された遺族に支給される年金です。国民年金だけに加入している自営業者等の方は対象になりません。

遺族基礎年金より遺族の範囲が広いので、遺族基礎年金が受給できない人も受給できることが多いです。制度としては、遺族基礎年金と共通している部分も多いので、遺族基礎年金の説明もあわせてごらん下さい。

遺族基礎年金

遺族厚生年金の支給要件

短期要件に該当したとき

被保険者(会社の健康保険に加入している人は厚生年金の被保険者です)が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき(すでに会社を辞めていてももらえます)。

上を短期要件といいます。

長期要件に該当したとき

老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。(すでに会社を辞めていてももらえます)。

上を長期要件といいます。

25年というのは、老齢年金の受給資格期間が25年(300月)以上という意味です。

老齢年金の受給資格期間は、国民年金の第1号、第2号(厚生年金加入)、第3号被保険者期間すべてのことなので、厚生年金加入期間とは異なります。

つまり、老齢年金の受給資格期間が25年以上で遺族厚生年金の「長期要件」に該当しますが、その時点で厚生年金加入期間が25年とは限りません。

短期要件の場合は、年金額形成期間が十分ではないために、年金額の計算に300月の最低保障がつきますが、長期要件に該当すると300月の最低保障はつきません。厚生年金加入期間が少なければ、長期要件に該当することで遺族厚生年金が少なくなってしまいます。

長期要件と短期要件の両方に該当するようなこともあります。この場合特に何もしなければ短期要件の計算式によって受給額が計算されるようになります。一般的に受給額としては短期要件に当てはめたほうが有利となるからです。

また、長期要件に該当すると、「死亡」という保険事故が発生した時点で、どの年金制度(第1号、第2号、第3号)に加入していたかは関係なくなります。

老齢年金の受給資格期間がすでに25年ある人が、会社勤めを辞めて第1号被保険者になったときに死亡した場合でも、一定の遺族に「遺族厚生年金」が支給されるということです。

長期要件の25年は生年月日等によって短縮されます。

遺族年金の長期要件の短縮

1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる方が死亡したとき

在職中に亡くなったときはほぼ100%遺族厚生年金が支給されます。退職した後でも支給対象になることがあるので、あきらめずに確認するべきです。

遺族厚生年金の支給対象者

遺族基礎年金より広い範囲の方が支給を受けられます。次の順位で受給権が発生します。

いずれも、亡くなった人により生計を維持されていたことが条件です。

生計を維持されていたとは

1.遺族基礎年金の支給の対象となる遺族(18歳年度末までの子など)
2.子のない妻(内縁関係を含む)
3.55歳以上の夫(内縁関係を含む)、父母、祖父母(60歳から支給)
4.孫(18歳の誕生日の属する年度の年度末を経過していない者。または20歳未満で1・2級の障害者)

夫婦であった期間に条件はありません。婚姻期間が長期であれ短期であれ、死亡時に配偶者であれば対象になり、再婚等がなければ原則として終身受給できます。

受給権は移転しません。例えば、子のない妻が受給した場合、その元妻が再婚した場合、遺族厚生年金を受けられなくなりますが、その権利が父母に移ることはありません。

妻は、夫の死亡時に30歳未満で子(18歳年度末までの子、障害がある場合は20歳未満の子)がいない場合は5年間の有期給付です。

残された妻が30歳になっているかどうかですごく違うということです。仮に夫の死亡時に妻の年齢が30才の場合、その後再婚しなければ生涯、遺族厚生年金を受給できます。仮に夫の死亡時に妻の年齢が29才11ヶ月と何日かだとすると、5年間だけの支給となります。夫の死亡日が数日異なるだけで、生涯にもらえる年金に大きな差が生じます。

子(18歳年度末までの子、障害がある場合は20歳未満の子)がいる場合は、遺族基礎年金と合わせて遺族厚生年金を受給できますが、妻が30歳に到達する前に、子の死亡などで遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、受給権消滅から5年で遺族厚生年金の受給も止まります。

子が配偶者の子で、自分の実子でない場合(いわゆる連れ子)は、その子は遺族厚生年金の対象になりません。生前に養子縁組をしていれば、法律上の子なので、遺族厚生年金の支給対象になります。

遺族厚生年金の額

在職時の給与と加入年数によります。亡くなった人が受けられるはずであった老齢厚生年金の4分の3が支給されます。若くして亡くなったときは、加入月数が300月に満たなければ300月として計算するので、若い人など加入期間が短い人に有利になっています。

条件を満たせば中高齢寡婦加算が加算されます

遺族厚生年金を受給する40歳以上65歳未満の妻には、条件によって中高齢寡婦加算がつきます。

中高齢寡婦加算

自身の老齢厚生年金との関係に注意が必要です

遺族年金を受給できる人が老齢年金も受給できる場合は、まず本人の老齢基礎年金と本人の老齢厚生年金を受け取ります。その上で、遺族年金の一部が加算されるような仕組みになっています。

老齢厚生年金を受給できる方は、自分の老齢厚生年金を全額受け取り、その金額が、遺族厚生年金(または、遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1)より少ない場合、その差額を遺族厚生年金として受け取ることになります。

60歳台前半の人に支給される「特別支給の老齢厚生年金」の受給資格が発生した人は、遺族厚生年金か自分の「特別支給の老齢厚生年金」のいずれかを選択することができます。この場合、両方もらうことはできません。