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健康保険の高額療養費

Last Updated on 2019年11月16日 by よも

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支払う医療費の限度を設定している制度です

病気になって病院に行けば、自己負担分を窓口で払います。たまにのことならよいのですが、何度も行くと負担が大きいですね。

特に、症状が重くて入院しなければならない時は大変です。お金の面では、通院と比べものにならないくらい負担が増えます。

健康な状態の時にはあまり考えないものですが、ちょっと考えてみましょう。

助けになるのは健康保険の高額療養費制度です。1ヶ月の医療費が一定の額を超えたら、それ以上は支払わなくてよい(または後から戻ってくる)という制度です。

すべての医療費が対象ではない

ただし、高額療養費は、健康保険が効く範囲に適用されるものなので、「差額ベッド代」や「入院中の食事代」、「先進医療」は対象になりません。

そこで、入院したときはどうなるかと言えば、

入院中の食事代は1食あたり原則360円ですから、360円×3食×30日=32,400円 となります。ま、家に居てもご飯は食べるので、しかたないかと・・・・。そのうち460円に引き上げられるそうです。痛いですね〜。

次に、差額ベッド代ですが、6人部屋に入れば差額ベッド代はかかりません。個室はもちろん、4人以下になれば差額ベッド代が必要になります。病院によって違うし、部屋によって違います。平均的には、個室の場合、7千円〜1万円必要になるらしいです。何十万円という個室もあるそうですよ。例えば、7,000円×30日=210,000円です。

以上を足すと、入院した場合は、

高額療養費を利用しても医療費の自己負担が9万円弱(収入によります)、食事代が、2万4千円弱、差額ベッド代が21万円。この合計は、32万4千円になります。1ヶ月当たりです。

大部屋でがまんすれば、月11万4千円くらいですね。差額ベッド代がいくらになるか、入院の際に確認することが肝心です。

以上のように、入院するとけっこう大きな出費になります。ということで、保険会社さんが医療保険をすすめるわけですね。

他に、先進医療も保険外だし、会社を休めば収入も減ります。会社勤めの場合は傷病手当金がありますが・・・・、健康が一番です。

傷病手当金

高額療養費はレセプト単位

高額療養費は、レセプト(診療報酬明細書)ごとに計算されます。

レセプトとは、病院が保険請求のために作成する書類で、診療月別、患者別、入通院別、医療機関及び診療科・調剤ごとに発行されます。

このため、レセプトごとに高額療養費に届く負担にならなければ、原則として高額療養費の対象になりません。

さらに同じ病院でも、月をまたいで治療した場合は、レセプトは2枚になるので、これも月ごとに高額療養費に届く負担にならなければ、対象になりません。

1ヶ月単位ということを頭に入れて、検査や手術の予定を入れることができれば支払を減らすことができます。限度額まで届かないと請求できないので、2ヶ月続けてギリギリ届かないより、可能であれば1ヶ月にまとめて、限度額を超えた方が有利なのです。

例えば、白内障の手術であれば、ある程度自分の希望も入れられますから、暦の1ヶ月内に済ませたいですね。

世帯合算の特例

世帯で何人もの方が、同じ月に病院等にかかった場合、世帯で合算した額が自己負担限度額を超えたときに、超えた額が払い戻されます。

ただし、70歳未満の人の場合は、合算できる自己負担額は21,000円以上に限られます。

なお、同世帯とは、公的医療保険上の世帯が同じという意味です。自営業の世帯で家族全員が国民健康保険なら同世帯ですが、夫婦共働きで、それぞれの勤務先で異なる健康保険組合に加入していれば別世帯です。夫の扶養に入っている妻や子どもは同世帯です。

多数該当の特例

多数該当は、療養のあった月以前の12月以内に、すでに高額療養費を3回以上支給を受けている場合は、4回目から自己負担が少し軽くなる制度です。

本人だけでなく、家族が該当した場合も多数回該当として通算できます。

自分で請求しないと返ってきません

高額療養費の手続きは、会社の総務担当や病院の窓口がしてくれるものではありません。

親切な人であればそういう制度があることを教えてくれるかもしれませんが、手続きは、高額療養費の請求は、自分が加入している健康保険、つまり、協会けんぽや健康保険組合に対して自分でしなければなりません。

手続き方法は、協会けんぽ等のホームページを読んでください。また、必要な書類は下記のページからダウンロードできます。

自己負担限度額の表

自己負担の限度は次のようになっています。以下の説明は 協会けんぽについてですが、自営業者などが加入している国民健康保険にも同様の制度があります。

70歳未満の人

区分
基準額
標準報酬月額83万円以上の人252,600円+(医療費−842,000円)×1%
多数回該当の場合は140,100円
標準報酬月額53万〜79万の人167,400円+(医療費−558,000円)×1%
多数回該当の場合は93,000円
標準報酬月額28万〜50万の人80,100円+(医療費−267,000円)×1%
多数回該当の場合は44,400円
標準報酬月額26万以下の人57,600円
多数回該当の場合は44,400円
市町村税非課税者35,400円
多数回該当の場合は24,600円

70歳以上75歳未満の人

健康保険の被保険者、被扶養者で、70歳以上の方が、同一の月に、それぞれ同一の病院から受けた外来療養の自己負担限度額は所得に応じて次の通りです。70歳以上の外来療養の場合は、個人ごとに計算します。

平成30年8月現在

被保険者の所得区分外来(個人ごと)外来・入院(世帯)
現役並みⅢ(標準報酬月額83万円以上で高齢受給者証の負担割合が3割の方)252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 
多数該当:140,100円
同左
現役並みⅡ(標準報酬月額53万~79万円で高齢受給者証の負担割合が3割の方)167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 多数該当:93,000円同左
現役並みⅠ(標準報酬月額28万~50万円で高齢受給者証の負担割合が3割の方)80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 多数該当:44,400円同左
一般所得者18,000円(年間上限14.4万円)57,600円 多数該当44,400円
低所得者Ⅱ8,000円24,600円
低所得者Ⅰ8,000円15,000円

低所得者Ⅱは、被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。

低所得者Ⅰは、被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。

現役並み所得者に該当する場合は、市区町村民税が非課税等であっても現役並み所得者となります。

手続きと貸付制度

高額療養費制度は、原則的なやり方では、いったん自己負担限度額を超えた分も払ってもらい、後で請求して払い戻される仕組みです。

①病院で支払った領収書
②保険証
③印鑑
④振込口座のわかるもの
などを用意して協会けんぽに高額療養費の支給申請を行います。

負担が大きいので、医療費の支払い額の8割相当額までを、払い戻されるまでの間貸し付ける高額療養費貸付制度があります。協会けんぽその他の保険者が取り扱っています。

高額医療・高額介護合算制度

同一世帯の被保険者において、医療保険の自己負担と介護保険の自己負担の両方が発生している場合に、これらを合わせた額について年額の上限額を設け、負担を軽減する制度です。
高額医療・高額介護合算制度

長期高額疾病についての負担軽減

特定疾病に指定されている、人工腎臓を実施している慢性腎不全、血友病、抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群の方については、健康保険の自己負担の限度額は10,000円です。

限度額適用認定証

以上で説明した内容は、医療機関等の窓口での負担が大きくなったときに、あとから自己負担限度額を超えた額が払い戻される制度です。

しかし、あとから払い戻されるとはいえ、一時的な支払いは大きな負担になります。

そこで、限度額適用認定証を利用しましょう。

限度額適用認定証を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示すると、1ヵ月 の窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。

限度額適用認定証