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健康保険の傷病手当金

Last Updated on 2020年5月30日 by よも

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傷病手当金とは

病気やけがのために会社を休み、給料が減ったり無くなったりしたときに、健康保険制度に加入していると、もしも病気やケガで仕事を4日以上休んだ場合には「傷病手当金」が支給されます。

通院、入院した日だけでなく、自宅療養の期間も支給されます。療養のために会社を休んでいることが条件です。

療養が長期になって休職したときも、支給期間が残っていれば継続して受給することができます。

新型コロナウイルス感染症に感染した場合、症状がなくても陽性と判定された場合、発熱などの自覚症状があるため自宅療養をしている場合も、他の疾病に罹患している場合と同様に傷病手当金を申請できます。また、自宅療養など、受診等の事情によって医師の意見書をもらえない場合でも申請が受け付けられる場合があります。

対象になるのは被保険者本人で、被扶養者は対象になりません。また、自営業者等が加入する国民健康保険にはこの給付がありません。

支給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額です。

健康保険からの支給ですから、私用中の病気やけがによるものが対象です。通勤途中や仕事中のケガなどは、傷病手当金を受給できず、労災保険の対象になります。
労災保険の休業(補償)給付

待期期間があります

傷病手当金は、連続して3日休んだ場合、4日目から支給されることになっています。この3日間を待期期間といいます。支給されないこの期間は有給休暇をとっても構いません。

待期期間は連続3日間ですから、例えば、2日休んで3日めに出勤することを繰り返した場合は、いつまでも支給されません。

あいだに土曜日曜祝日などの公休が入ったときは、公休日も含めて3日連続すれば待期期間が完成します。

2回目以降の請求には待期期間がありません。

標準報酬日額の求め方

標準報酬日額は、支給開始日(一番最初に給付が支給された日)以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30(日)で割って求めます。
支給開始日以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、標準報酬月額の平均と28万円を比べて、少ない金額を30(日)で割って求めます。
この28万円というのは、当該年度の前年度9月30日における全被保険者の標準報酬月額の平均値なので、年度によって変動します。
また、転職している場合は、離職期間が1ヶ月以内であれば、前の勤務先の分を通算して計算します。

支給額が減じられる場合がある

次の場合は傷病手当金の支給額が調整されます。

1.事業主から休んでいる期間も賃金の支給を受けた場合
2.同一の傷病により障害厚生年金、障害手当金を受けている場合
3.老齢厚生年金や老齢基礎年金又は退職共済年金などを受けている場合

上記の支給日額が傷病手当金の日額より多いときは、傷病手当金は支給されません。傷病手当金の日額より少ないときは、その差額を受給できます。

出産手当金と傷病手当金を同時に受給できる状態になったときは、出産手当金の額よりも傷病手当金が多ければ(出産手当金<傷病手当金)その差額が支給されます。

支給期間は1年6ヶ月

傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から数えて1年6か月です。1年6ヶ月分支給されるということではなく、途中支給を受けない時期があっても、最初の支給が始まってから1年6ヶ月たつと支給がとまります。

受給回数に制限はありません。以前受給していたことがあっても、新たな病気等で再度療養のために会社を休むことになれば受給できます。ただし、以前の病気等と同じ病気が原因であるときは、前の病気等が「一度治癒して」、その後、「相当期間就業している」ことが必要です。

傷病手当金の支給申請はどのようにするか

「健康保険傷病手当金支給申請書」を協会けんぽの支部に提出します。申請書には病気やけがにより働く事のできない期間について医師の証明、労務不能若しくは報酬に関する事業主の証明欄があります。 用紙は、協会けんぽのホームページから印刷することができます。

健康保険組合の場合は自分が加入している健保組合に連絡します。

協会けんぽの用紙は4枚です。

【1枚目】「被保険者記入」
被保険者の情報や振込先等を記入します。

【2枚目】「被保険者記入」
傷病名や療養のために休んだ期間等を記入します。

【3枚目】「事業主記入」
出勤日や賃金支給状況等を記入し証明します。

【4枚目】「療養担当者記入」
医師が、傷病名や労務不能期間等を記入し証明します。

医師の証明が必要

支給申請書には、医師が記載する欄があります。

申請期間内に実際に労務不能であったことを、医師に証明してもらわなければならないのです。つまり、病気で会社を休んでも病院にかかっていなければ原則として受給できません。

病院にかかっていても、いざ申請をしようとする段になって、医師から証明を断られることがあります。

医師から断られる理由の1は、その期間に診察していないので状態が分からないというものです。

通院を中断しないで定期的に診察を受けましょう。指定された通院日をすっぽかしてはいけません。

理由の2は、医師が労務不能だとは思えないと判断した場合です。自分の症状を正確に伝えましょう。

外見からわかりにくい病気の場合は特に医師との意思疎通が大事です。

転院すると、転院の前と後の両方の期間についてそれぞれの医師の証明が必要になります。

診察を受けていない空白期間が生じるとその期間については証明をもらえなくなります。可能であれば、診察の期間について医師と相談の上で転院するようにしましょう。

妊娠中にも使えます。

産前産後休暇をとれば出産手当金、その前につわりがきつくて仕事を休んだときは傷病手当金の対象です。

つわり、切迫早産、流産、妊娠高血圧症候群などで療養が必要との医師の診断が出た場合に対象となります。

会社を辞めれば傷病手当金はどうなるか

会社を辞めるなどした場合、次の条件を満たしていれば、退職後も傷病手当金の給付が継続します。
・資格喪失日の前日まで引き続き1年以上の被保険者期間があること
・資格を喪失までに、傷病手当金を受けていること。または、受給条件を満たしていること。

ただし、一般の被保険者であれば、1年6か月の支給期間内であれば、病状の変化によって、断続して傷病手当金を受給することも可能ですが、退職後の傷病手当金は、症状が改善されて支給が中断すると再開することはできません。

また、退職後に傷病手当金を受給していることは、すなわち働くことができない状態なので、雇用保険の基本手当の請求ができません。この場合、ハローワークに受給期間延長の手続きが必要です。そうしないと病気などがなおって職を探す段階で基本手当が受けられなくなっている場合があります。