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Last Updated on 2020年8月20日 by よも

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労働契約法における懲戒の定め

使用者は、企業秩序維持のため、労働者に対して、懲戒処分を行うことができます。

しかし、使用者が些細なミスに対しても自由に懲戒処分ができるのであれば、労働者は毎日いつ処分されるかという不安にかられて落ち着いていられません。したがって、使用者の懲戒権にはおのずと制限があります。具体的には労働契約法15条で定められています。

労働契約法第15条
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

e-Gov法令検索 2020/08/20

「使用者が労働者を懲戒することができる場合」というのは、就業規則において懲戒事由および懲戒の種類が定められていて、現実に懲戒に該当する事柄があり、就業規則に定められている種類の懲戒処分を行うという意味です。

「労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして」というのは、簡単に言えば、大したことでもないのに、重い処分をしてはいけないという意味です。

「客観的に合理的な理由を欠き」というのは、誰が見ても解雇はやむを得ないと思える理由です。「誰が見ても」というのは、社内の人が皆納得したというレベルではありません。社内外の誰に聞いても「それならやむを得ない」というレベルが求められます。

「社会通念上相当であると認められない」というのは、その会社の基準ではなく、社会通念、つまり世の中全般の平均的な考え方に沿っている必要があるということです。世間の常識に合わない処分はできないということです。

具体的な問題に直面したときに、何が客観的に合理的なのか、何が社会通念上相当なのかを判断することは簡単ではありません。

結局、それぞれが自分の経験や知識をもとに判断するしかありませんが、裁判等で争うときは、弁護士等の専門家の意見によって行動するのが安全です。

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