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労働条件

年次有給休暇について

Last Updated on 2019年11月17日 by よも

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有給休暇とは

雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続して勤務し、その間、出勤率が8割以上であれば、雇入れの日から6ヶ月経過後には、10日間の有給休暇がつきます。

休んでも給料が引かれないという意味で、有給休暇といいます。

さらに1年6ヶ月後に11日、2年6ヶ月後に12日、3年6ヶ月後に14日と有給休暇が増えていきます。最高20日間になるまでです。

出勤率が8割に満たなければ、その年は新たな有給休暇は発生しませんが、翌年8割以上出勤した場合には勤続年数に応じた有給休暇の権利が発生します。

年次というのは、毎年つくということです。昨年15日の有給休暇が付与されていて10日休んで5日残っていたとすると、新年度に付与される16日とあわせて、21日の有給休暇の権利を持っていることになります。

有給休暇には時効があります。使わなければ2年で消えてしまします。時効にかかった1年分はゼロになってしまうので、まったく使っていなくても最大で40日以上には増えません。

付与日数表

勤続年数付与日数
6ヶ月10日
1年6ヶ月11日
2年6ヶ月12日
3年6ヶ月14日
4年6ヶ月16日
5年6ヶ月18日
6年6ヶ月以上20日

この表は、週所定労働日数が5日以上または週所定労働時間が30時間以上の場合に適用できます。勤務時間が短いパートタイム労働者には、この表は適用できません。

有給休暇の利用方法

本来は、心身の疲労をとるために利用するものですが、病気欠勤日、忌引などに年次有給休暇を充当することは、労働者の希望によるのであれば違法ではありません。そういう場合に有給を使えと使用者から仕向けるのは違法です。

また、休職期間中は、そもそも労働義務を免除されている期間については、年次有給休暇を請求できません。

時季変更権

年次有給休暇は労働者の権利ですから、いつでも自由に使うことができます。ただし、会社は必要があるときには時季変更権を行使することができます。

会社の時季請求権は、法律の運用では厳しく制限されています。例えば、代替要員の確保が困難であっても、いつも人員不足で代替要員の確保が常に困難という状況であれば、会社の対策不足によるものですから、時季変更権の行使は適当でないとされています。

「有給をとらせてください」と言うことがあると思いますが、これは丁寧に言っているだけで、法律的には許可を得る必要はありません。申し出れば休めるのが有給休暇です。

退職時に残っている有給休暇

事業の廃止、労働者の解雇や退職によって労働関係が消滅した場合には、有給休暇請求権も消滅します。したがって、例えば解雇の予告が行われた場合は、休暇の権利は予告期間中に行使しなければ消滅します。

退職時直前でも有給休暇を取得する権利があるので、残日数によっては退職申出の日から退職の日まで連続して休暇に入ることも可能です。

年次有給休暇の未消化日数に応じて一定の賃金を支払う(これを「休暇の買い上げ」といっています。)は、休養を与えるという制度の趣旨に反しているのでやってはいけないことになっています。

ただし、退職日においても未消化の分については、会社に買い上げの義務はありませんが、会社が買い上げたとしても違法ではない、というのが一般的解釈です。

パートタイムも同様の扱いが必要

パート社員も一般社員と同様に有給休暇を与えなければなりません。ただし、労働日数等に応じて与えられる日数が減じられます。
パートタイム労働者の年次有給休暇

計画的付与

有給休暇の消化率が良くないので無理にでもとらせようということで、計画的付与の制度ができました。
有給休暇の計画的付与

時間単位の有給休暇取得

労使協定を締結すれば1年に5日を限度として時間を単位として有給休暇を与えることができます。
有給休暇の時間単位取得

有給休暇の半日単位取得

就業規則で定めれば半日を単位として有給休暇を与えることができます。
有給休暇の半日単位取得

5日以上取得させなければならない

年10日以上の有給休暇が与えられている従業員には、有給休暇が付与された日から1年以内に5日以上取得させなければなりません。

中小企業個人企業を含め、人を雇っているすべての事業が対象です。全ての従業員が、有給休暇を取得した日から1年以内に最低5日は取得していなければ労働基準法違反になります。忙しい、人手が足りないという事情があっても免除されません。

手続きとしては、まず会社が従業員に取得の希望日を聴取します。その希望を踏まえ、会社等は日にちを指定して従業員に休んでもらいます。時季指定といいます。いつ時季指定するかは会社等が決めます。

有給休暇を5日以上消化している社員に対しては時季指定する必要がありません。また、計画的付与をすでに実施している会社等は対象になりません。

この5日以上の定めに対応して、これまでも与えていた夏季休暇や年末・年始休暇などを労働日に変更し、当該労働日について、使用者が年次有給休暇として時季指定する事業主があると言われています。

これは、労働条件の不利益変更ですから、その変更手続きが妥当なものでなければ損害賠償ものです。また、有給休暇についての事業主の義務を、脱法的に回避するものですから、労働基準法違反だと言えます。即、労働基準監督署へ駆け込むべき案件です。